【物作りを仕事にするという事】こへぱん 譲れないこだわり【無添加パン】

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「どうやって作ったらこんな美味しいパンが出来るの?」

大変ありがたい事にこういう風におっしゃって下さる方がおられます。
今まで働いてきた経験や、学んだ知識の中から良い部分を全部取り入れていっただけ、だと自分では思っているのですが、それでは皆さんには分からないので今回は詳しく説明させていただきたいと思います。

下準備

まず計量などの下準備です。
丁寧に計量するのは勿論ですが、材料一つ一つ丁寧に処理をします。

例えば、レーズン。
何も処理せずに使うところが多いこのレーズンですが、実は結構ゴミのようなものが混ざっているので一度洗います。

そしてしょっちゅう「ヘタ」のようなものが付いています。

こんなの美味しいわけがない


これを噛むと食感が悪いので、一粒ずつ全部チェックしてヘタを取り除きます。
とても面倒な作業なので大量生産は出来ません(´ー`)

クルミも効率を考え、ある程度の量をまとめて煎ってしまう所がほとんどですが、当店では当日必要な分だけオーブンで煎り、渋皮を取ります。
そうする事で煎りたての香ばしいクルミの風味を全部パンに閉じ込める事が出来ます。

添加物を使わない理由

パンには小麦粉、イースト、塩、砂糖、乳製品、油脂といった様々なものを使用します。
この他に、多くのパンには添加物が使用されていますが、

当店のパン生地には一切の添加物を使用しておりません。

なぜかと言われると単純に必要ないと思っているから。
それだけでは理由になっていませんので、まず「なぜ多くのパンに添加物が入っているのか」を説明します。

パンに添加物を加える理由

パンを大きくしたい
出来るだけ大きく、ボリュームがあるように見せたい。
まぁスーパーの惣菜の底上げみたいなものです。

パンというのは風船のようなもので、ある程度まではイーストのガスを貯め込んでふくらみますが、限界を超えるとしぼんでしまいます。
その時に活躍するのがビタミンCなどの添加物です。
これらを添加することにより、パン生地が強くなり、より大きいサイズのパンを作ることが出来ます。

でも、ガスをいっぱい貯め込んで大きくしただけなのでスカスカです。

見た目は大きいけど一口かむとその周りまでクシャッ…とつぶれてしまうようなパン、皆さん食べた事がありませんか?

誰でも作れるように
本来、パン生地というのはかなり繊細なもので、素人とプロではかなり差が出てしまいます。
ですが、規模の大きな店などは、経験豊富な人だけがパン作りをしたのでは売上の確保が難しいので、人を雇ってパン作りをしてもらうしかありません。
育つかどうかも分からない人を育成しながらパン屋を経営するのはとても大変なので、ここで添加物に頼ってしまいます。
添加物を使うことで素人同然の人が作ってもそれっぽい見た目のパンができてしまうのです。
そして、それが当然だと思い多くの人がパン屋を開業しているのが現状だと思います。
ほとんどのパン職人はパンには添加物を入れるものだと思っているでしょう。

僕が開業した時、色々な業者の人に添加物を勧められましたが、「添加物は使わないからいらない」と言うと皆さん驚きましたから。

本来添加物は必要ない

上記のような理由から、多くのパン屋では添加物を使用していますが、正直なところ

美味しくなくなるのをなんとかごまかす為に使用している

と思っています。
本当に良いものを作ろう、と思ってやってる僕には必要ありません。


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生地を練る

パン生地というのは、大部分を小麦粉が占めます。

同じ銘柄の小麦粉を仕入れても湿度などの影響で常に微妙に状態が違います。
いつも同じ水の量で生地を練ると小麦粉の状態で生地の出来が変わってしまうので、小麦粉1㎏に対して5g、0.5%単位で水分量を調整し、出来るだけ同じような生地の状態になるようにします。

生地の分割、成形

一つの生地から色々なパンを作ります。
その際、それぞれ必要なサイズに生地を分けていく必要があるのですが、(例えば食パンとクリームパンでは大きさが全然違いますよね)
その計量にかける時間を短縮するために、雑に計量する店があります。

例えばクリームパン用に生地を取っていく場合、本来40gで計量するところを43gくらいでもok、みたいな店は結構あります。
この時点ではたった3g、と思われるかもしれませんが、次に成形する時に大きな差になってきます。

例えばウチのクリームパンは生地もカスタードクリームも40gずつで合わせて80gになるように成形するのですが、「±3gでもOK」となると

43gの生地にカスタードを詰めて77g(カスタードは34g)
37gの生地にカスタードを詰めて83g(カスタードは46g)

というように、全然違う物になってしまう可能性があります。

違うパターンでは、

「自分はパン職人歴10年だから」

と最初の一個だけはかってその後一個もはからずにカスタードを詰め続ける人と一緒に働いた事もあります。

見た目からして大きさが違うように見えたのであとでこっそりはかってみたらバラバラでした(´_ゝ`)

人間の感覚なんてそんなにアテにはなりません。

こういった例はともかく(´_ゝ`)

ウチはどうかというと、

当店では全て±1gでやっています。

さっきのクリームパンの例でいうと、一番極端な例でも

41gの生地に38gのクリームで79g
39gの生地に42gのクリームで81g

です。
いつ、誰が、どのパンを選んでも大丈夫なようにしています。

丁寧にガスを抜く

生地をそれぞれのサイズに分割したのちに丸めるのですが、大抵の店ではここで手抜きします。
ここで手を抜いてもパンの見た目はさほど変わらないからです。

ですが、僕はここでしっかり余分なガスを抜き、丁寧に丸めます。
パンのキメ細やかさや風味に影響が出ると思っています。

手を抜かず丁寧に

発酵

添加物のところでも書きましたが、多くのパン屋では出来るだけボリュームがあるように見せたいと思っています。

その為、イースト菌の活動が最も盛んになる38℃付近に設定した機械の中で生地を発酵させます。
イースト菌は活発に糖分を食べてアルコールガスを出しますにで見た目は大きくなりますが、キメが荒くスカスカパサパサで、アルコール臭がして、なんだか物足りない味のパンになってしまいます。

当店では28〜30℃くらいで発酵させます。
見た目は小さくなりますが、口どけが良く、嫌な臭いのしない風味の良いパンになります。

パンを焼く

多くのパンは焼く前に卵を塗ってツヤのある見た目に仕上がるようにします。

しかし発酵の段階で限界まで発酵させてあるパンはすぐに卵を塗るとしぼんでしまうので少し放置して表面を乾燥させてから卵を塗って焼きます。
このやり方でパンを焼くと、食べた時に薄い紙を噛んだような少し嫌な食感がします。

当店では発酵の段階で全く無理をさせていない為、発酵させた直後に卵を塗って焼いています。
こうする事で食感の良いパンを焼く事が出来ます

焼きムラをなくす

一枚の鉄板には10個とか15個のパンを乗せて焼いています。
当然焼きムラが出てしまうのですが、多くのパン屋ではあまり気にせずにそのまま店頭に並べています。
当店ではそこで妥協してしまわず、オーブンのクセをつかみ、場所の移動など微調整をしてあげる事で可能な限り焼きムラをなくすようにしています。

出来るだけ同じ焼き色に

最後に

ひとつひとつは大した事のないものばかりかもしれません。
ですがここまでしているパン屋はほとんどないと思っています。

正直なところ、色々なコストが発生する中でカットできそうな所はカットした方が利益は出しやすいかもしれません。
でも、どうせ作るんならちゃんとした物を作りたい、提供したいという気持ちを捨ててまでパン屋を経営していくのは何か違うと感じています。

こへぱんのセット価格を見た時に「高い」と感じる方は多いと思います。
ですが冷凍便での発送にしているのも一つのこだわりであり、これを通常便にするつもりはありません。
小麦粉やバターなどの原材料の価格は高騰し続けています(しかも流通量などの関係で、実は都会より田舎の方が仕入れ値が高い場合も多々あります)が、それでも惜しまず良いと思うものを使っている為、正直なところ価格はこれが一杯一杯です。

それでも値段以上の価値があるパンを作っているという自負があります。

ぜひ一度こへぱんを食べてみてください。


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ABOUTこの記事をかいた人

1980年徳島生まれ徳島育ち。妻と息子2人(10歳と8歳)と暮らしながらパン屋を経営(9年目突入!)しつつ他の収入を模索中。 漫画、ゲーム、インターネットと完全インドア趣味ですが実は運動も好き。